里宇: | はーい。よい子の皆様、注目です。 これから、くたばれ魔王大作戦、イン青空教室1回目。を開きたいと思います。
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小谷: | くたばれ魔王って、アサコ王の間違いじゃなくて?
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蓮川: | 小谷っち??! |
里宇: | イイ大人は、本音は隠して生きていくのですよ。
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蓮川: | 里宇ちゃんも否定なし??!
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小谷: | なるほど。
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先輩: | で、作戦って?
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里宇: | うん。まぁ、とりあえず、左をご覧ください。
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蓮川: | ・・・海?
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小谷: | だね。・・・で?
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里宇: | その先には何がありますか?
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先輩: | ・・・岩山?が見えるけど?
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里宇: | はい。その岩山?が、魔王城となります〜。
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小谷: | ・・・・・は??!
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先輩: | すごい近いねぇ。
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里宇: | 泳いでは行けませんよ? あぁ、でも、お兄さん一人なら行ってもいいと思う。
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小谷: | え?某有名RPGのパロディみたいに??!
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先輩: | およがねぇよ!いかねぇよ!! お前らは、俺をなんだと思ってるんだ!
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小谷: | お兄さん。
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先輩: | ・・・・でもまぁ、ホントに、船ありゃすぐ行けそうな距離だな。
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小谷: | むしろ日帰り魔王城への旅、が実行できそうですね。
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里宇: | うん。 でもね、あの岩山?のまわり一帯全部、バリアかなんか張ってるらしくて、人間は往航不可なんだよね。 って、わけで、兄さん、はやくバリアとってよ。
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先輩: | ・・・は?
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里宇: | 兄さんなら、出来る!!
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先輩: | は??!
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蓮川: | え? 先輩、そんなことも出来るんですか!! すごーい。
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先輩: | う〜ん。 期待してもらってるとこ悪いけど、さすがにそれはデキナイなぁ。
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小谷: | それは??!
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里宇: | ってことは、他のことは出来るんだ!!?
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小谷: | 妖精さん出すとか??!
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里宇: | それって、やっぱりピンクの妖精??!
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小谷: | ラメ入りだよね〜!!
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里宇: | うんうん。 それくらいは、出来るよね〜。絶対。
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先輩: | 出来るか! ったく、冗談を冗談として受け取れ。お前らは。 だいたい、里宇。 さっきの泳いで行っても〜・・・もそうだけど、泳いで行って バリア内に入れちゃおうが、バリアはずせようが、そんな人、人間じゃないでしょ! 俺をなんだと思ってるの!
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里宇: | ん?兄さん。
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先輩: | ・・・・。
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小谷: | りっちゃん、ナイス突っ込み。
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里宇: | ありがと〜。 で、まぁ話戻すけど、くたばれ魔王です。 作戦その@の兄さん泳いで行って、魔王を倒す。も、作戦そのAの兄さんにバリアはずしてもらう。も、兄さんのせいで、実行不能になってしまいました。
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先輩: | 俺のせい??!
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小谷: | よ。りっちゃんビバ言いがかり♪
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里宇: | で、まぁ、とある事情でお金もいっぱい入りました。
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蓮川: | ・・・・あぁ、馬車・・・ほんとに売っちゃうなんて。
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里宇: | まだなんか言っている方もいますが、お金いっぱい手に入りました。
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小谷: | 誰も馬車なんて、運転出来ないからね。
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里宇: | しかし、まだ問題はあったのです!!
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先輩: | まだ、つーか、問題だらけだろ。この旅。
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小谷: | まだ旅立ってもないしね。
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先輩: | まぁな。 で、なに?問題って。
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里宇: | 戦いに必須の、武器・防具がナイ。
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蓮川: | え?大臣さんから貰ったのは??
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里宇: | あんなのはゴミです。 てか、僕は棒と布で戦えるほど器用じゃありません。
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小谷: | 店は? 金はあるんでしょ?買えばいいじゃん。
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里宇: | 品揃えが悪い。
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先輩: | は?
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里宇: | さっきチラッと見てきたけど、どれも棒と布と大差ない! 僕は、何回も武器防具を買い換えたくない! イイ武器を一回買って、それを使いまくる!!・・・防具も然りね。 って、わけで、違う町に行こうと思います。
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小谷: | 違う町?
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里宇: | うん。 大臣の話だと、この世界にはいろんな特色のある町があるみたいなんだよね。 その中には、武器防具に強い町があるはずなので、当初の目的はソコにしたいと 思います。
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先輩: | なるほど。
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蓮川: | でも里宇ちゃん、そこって、どこにあるの?
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里宇: | さぁ?
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小谷: | は??!
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里宇: | 僕、この世界今日が初めてなのに、知ってるわけないじゃん。
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小谷: | じゃぁ、いけねぇじゃんかよ!
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里宇: | うん。 でもまぁコレ見てよ。
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先輩: | なに?
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里宇: | 攻略本。
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小谷: | は??
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里宇: | 間違った。 大臣著作の、初心者冒険者のための、旅のキロク本。 これによると、この町、つまりココには、古くからある図書館があるみたい なんだよね。 |
小谷: | 古代図書館??! それは、魅惑スポットだ!!
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里宇: | そうだね。 って、わけで、そこの魅惑スポットで詳細な地図を探しだして、いい武器防具 売ってる町探しだして、魔王城に行く方法と、そのための最短ルート導きだして、 とっととお家に帰りましょう。
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先輩: | なるほど。 確かに今のままじゃ魔王倒そうにも、城に入れないからな。 ついでに、そこに魔王の倒し方とか書いてあればいいな。
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小谷: | ・・・!!!? なるほど!敵の弱みを調べ、そこを徹底的につく!! さすがお兄さん! 正義の味方とは思えないほど、素敵な考えです!!!
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先輩: | 俺、そこまで言った??!!
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小谷: | そこまでは口に出されてないですけど、お兄さんの心の声を表現してみたんです。
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先輩: | ・・・・。 だから、俺をどんなキャラにしたいわけ?
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小谷: | ・・・・・・・・魔王とか?
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里宇: | そしたら倒さなきゃね♪
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小谷: | すぐに家に帰れるな。
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先輩: | え??!
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小谷: | やだなぁ。冗談ですよ。
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里宇: | うん。うん。 兄さんはそんな人じゃない、って信じてますよ〜
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先輩: | ・・・・・・。
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小谷: | うんうん。 さて、りっちゃんその魅惑スポットは、町のどの辺にあるのかな?
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里宇: | えっと〜、一応、古くからあるんだし、町の人に聞けば分かるかと。
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蓮川: | 先輩? なんか顔色悪くないですか?
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先輩: | え?そんなことないよ? えと、あ、あの人に聞いてみようか♪
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小谷: | ええ、まぁそうですね。
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蓮川: | あの〜、すみません。
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農夫: | なんだよ? 俺は忙しいんだ。日暮れまでに街に帰るんだからよ!
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蓮川: | えと・・・あの・・・ごめんなさい。
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農夫: | くだらない用なら、行くぞ!
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蓮川: | あの、その・・・
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小谷: | すみません・・・・・・ 私たち、今日この町に呼び出されて、右も左も分からないんです・・・
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先輩: | だからつい話かけちまって・・・・ おっちゃんみたいに親切な人だったら、俺らの話まともに聞いてくれるんじゃねぇか、って思ってさ。
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小谷: | 私たち、なんとしてでも、自分たちの国に帰りたいんです! あそこには待ってる人が・・・!! お願いです! 古代図書館への道を教えて下さい!!
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農夫: | 右も左もわからねぇって・・・ あんたたち、この辺のやつらじゃないのか? どこからきたんだ? 周辺の街出身なら、右も左もわからねぇことねぇだろう。
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先輩: | ・・・信じてもらえるかわかんねぇんだけど・・・・
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農夫: | なんだよ。俺を疑ってるのか?
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小谷: | いえ。そんなこと。 でも、私たち自身も信じられないことなので・・・・
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農夫: | なんだって、言うんだよ?
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先輩: | おっちゃんなら信じてくれそうだな。 ・・・・俺たち・・・・
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小谷: | 違う世界から呼び出されたんです。
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先輩: | 魔王を倒すためにな。
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農夫: | ・・・・・・・・・。
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小谷: | 信じてもらえないのも無理はありません! でもホントなんです!! 魔王を倒さなきゃ元の世界に戻れないんです! この世界の平和のためにも、私たちは、魔王を倒さなきゃいけないんです!
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先輩: | そのためには、古代図書館に眠ってる古書の力が必要なんだけど、なさけない話、俺たち場所がわかんなくてさ。 忙しいところ悪いんだけど、おっちゃん、場所教えてくれないか?
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農夫: | ・・・・・・・・・・・・。
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小谷: | お願いしますっ!
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里宇: | お願い!
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農夫: | ・・・・・・・・・・お前たち、最近の若手旅芸人か?
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小谷: | ・・・・は?
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農夫: | うん。うん。 いまはこの町は不景気だからなぁ。 そうやって路銀を稼いでるのか。 若いのに苦労してんだなぁ。 しっかし、今の話はオリジナルか?なかなかおもしろかったぞ。くわしく聞きたいぐらいだ。
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小谷: | ・・・ありがとう、ございます?
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農夫: | そうそう、図書館の場所だったな。
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蓮川: | え?あ、はい。
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農夫: | ないよ。 |
蓮川: | え?
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農夫: | 先月・・・だったかな?もっと前かな? つぶれちまったよ。 まぁ。確かにあんなでかい図書館、維持費が大変だろうし、しょうがないよなぁ。
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先輩: | つぶれた、って・・・・。
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小谷: | ・・・どこが経営してたんですか?
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農夫: | そりゃ、歴代城が直轄して管理してたのさ。でもま、それも今代までだった、ってわけよ。 ってわけで、今はもうその跡地しかないから、いったって無駄だよ。
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里宇: | そう、ですか。
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農夫: | あぁ。 しかし、ホントに楽しかったなぁ。 俺、そこの食堂でメシ食ってから街に戻るから、もし時間があったらさっきの話の続き教えてくれよな。
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里宇: | あ、うん。ありがとね・・・・。
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小谷: | ・・・・・・・。
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先輩: | ・・・・・・・・・つぶれた?
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蓮川: | ・・・・って、言ってましたね。
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小谷: | 城直轄なのに?
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里宇: | ・・・・・だからじゃない?
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蓮川: | え?
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里宇: | 城直轄、=アサコ経営だよ? やっぱり城の経営うまく行ってなかったんだよ。
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先輩: | なるほど・・・。
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蓮川: | ・・・で、どうするの?このあと?
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里宇: | ・・・・どうしよう・・・・。
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先輩: | そういえばさぁ、大臣著作?の攻略本だか、旅のキロク本だかに、なんか役立つこと書いてないの?
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里宇: | そうか! 魔王城への行き方、とか、魔王の弱点、とか、弱点、とか、弱点、とか。
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小谷: | アサコさんの抹殺方法、とか。
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蓮川: | え?!
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里宇: | 意外にあるかもね♪
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蓮川: | えぇっ!!
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先輩: | こいつら黒っ!!
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小谷: | やだなぁ。冗談ですよ。 で、ほんとになんか載ってないの?
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里宇: | そこまで読みこんでないからなぁ・・・ あ、でも魔王および魔王城について、ってページがある。 |
蓮川: | ほんと!?
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小谷: | アサコさんについて、はないね〜
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里宇: | うん。残念。
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先輩: | まだ言うか・・・で、魔王については? 行き方とか書いてあった?
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里宇: | えっと〜・・・ 『魔王は強い。 魔王城へはバリアをはずしてから行け』 ・・・・・・・・以上。
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小谷: | え?
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里宇: | 以上。 |
先輩: | ・・・・もう一回読んでくれる?
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里宇: | 『魔王は強い。魔王城へはバリアをはずしてから行け
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小谷: | ・・・・・そんなん知ってるわぁっっっっっ
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[完] |