2章:古代図書館へ行きましょう




里宇:はーい。よい子の皆様、注目です。
これから、くたばれ魔王大作戦、イン青空教室1回目。を開きたいと思います。
小谷:くたばれ魔王って、アサコ王の間違いじゃなくて?
蓮川:小谷っち??!
里宇:イイ大人は、本音は隠して生きていくのですよ。
蓮川:里宇ちゃんも否定なし??!
小谷:なるほど。
先輩:で、作戦って?
里宇:うん。まぁ、とりあえず、左をご覧ください。
蓮川:・・・海?
小谷:だね。・・・で?
里宇:その先には何がありますか?
先輩:・・・岩山?が見えるけど?
里宇:はい。その岩山?が、魔王城となります〜。
小谷:・・・・・は??!
先輩:すごい近いねぇ。
里宇:泳いでは行けませんよ?
あぁ、でも、お兄さん一人なら行ってもいいと思う。
小谷:え?某有名RPGのパロディみたいに??!
先輩:およがねぇよ!いかねぇよ!!
お前らは、俺をなんだと思ってるんだ!
小谷:お兄さん。
先輩:・・・・でもまぁ、ホントに、船ありゃすぐ行けそうな距離だな。
小谷:むしろ日帰り魔王城への旅、が実行できそうですね。
里宇:うん。
でもね、あの岩山?のまわり一帯全部、バリアかなんか張ってるらしくて、人間は往航不可なんだよね。
って、わけで、兄さん、はやくバリアとってよ。
先輩:・・・は?
里宇:兄さんなら、出来る!!
先輩:は??!
蓮川:え?
先輩、そんなことも出来るんですか!!
すごーい。
先輩:う〜ん。
期待してもらってるとこ悪いけど、さすがにそれはデキナイなぁ。
小谷:それは??!
里宇:ってことは、他のことは出来るんだ!!?
小谷:妖精さん出すとか??!
里宇:それって、やっぱりピンクの妖精??!
小谷:ラメ入りだよね〜!!
里宇:うんうん。
それくらいは、出来るよね〜。絶対。
先輩:出来るか!
ったく、冗談を冗談として受け取れ。お前らは。
だいたい、里宇。
さっきの泳いで行っても〜・・・もそうだけど、泳いで行って バリア内に入れちゃおうが、バリアはずせようが、そんな人、人間じゃないでしょ!
俺をなんだと思ってるの!
里宇:ん?兄さん。
先輩:・・・・。
小谷:りっちゃん、ナイス突っ込み。
里宇:ありがと〜。
で、まぁ話戻すけど、くたばれ魔王です。
作戦その@の兄さん泳いで行って、魔王を倒す。も、作戦そのAの兄さんにバリアはずしてもらう。も、兄さんのせいで、実行不能になってしまいました。
先輩:俺のせい??!
小谷:よ。りっちゃんビバ言いがかり♪
里宇:で、まぁ、とある事情でお金もいっぱい入りました。
蓮川:・・・・あぁ、馬車・・・ほんとに売っちゃうなんて。
里宇:まだなんか言っている方もいますが、お金いっぱい手に入りました。
小谷:誰も馬車なんて、運転出来ないからね。
里宇:しかし、まだ問題はあったのです!!
先輩:まだ、つーか、問題だらけだろ。この旅。
小谷:まだ旅立ってもないしね。
先輩:まぁな。
で、なに?問題って。
里宇:戦いに必須の、武器・防具がナイ。
蓮川:え?大臣さんから貰ったのは??
里宇:あんなのはゴミです。
てか、僕は棒と布で戦えるほど器用じゃありません。
小谷:店は? 金はあるんでしょ?買えばいいじゃん。
里宇:品揃えが悪い。
先輩:は?
里宇:さっきチラッと見てきたけど、どれも棒と布と大差ない!
僕は、何回も武器防具を買い換えたくない! イイ武器を一回買って、それを使いまくる!!・・・防具も然りね。
って、わけで、違う町に行こうと思います。
小谷:違う町?
里宇:うん。
大臣の話だと、この世界にはいろんな特色のある町があるみたいなんだよね。
その中には、武器防具に強い町があるはずなので、当初の目的はソコにしたいと 思います。
先輩:なるほど。
蓮川:でも里宇ちゃん、そこって、どこにあるの?
里宇:さぁ?
小谷:は??!
里宇:僕、この世界今日が初めてなのに、知ってるわけないじゃん。
小谷:じゃぁ、いけねぇじゃんかよ!
里宇:うん。
でもまぁコレ見てよ。
先輩:なに?
里宇:攻略本。
小谷:は??
里宇:間違った。
大臣著作の、初心者冒険者のための、旅のキロク本。
これによると、この町、つまりココには、古くからある図書館があるみたい なんだよね。
小谷:古代図書館??!
それは、魅惑スポットだ!!
里宇:そうだね。
って、わけで、そこの魅惑スポットで詳細な地図を探しだして、いい武器防具 売ってる町探しだして、魔王城に行く方法と、そのための最短ルート導きだして、 とっととお家に帰りましょう。
先輩:なるほど。
確かに今のままじゃ魔王倒そうにも、城に入れないからな。
ついでに、そこに魔王の倒し方とか書いてあればいいな。
小谷:・・・!!!?
なるほど!敵の弱みを調べ、そこを徹底的につく!!
さすがお兄さん!
正義の味方とは思えないほど、素敵な考えです!!!
先輩:俺、そこまで言った??!!
小谷:そこまでは口に出されてないですけど、お兄さんの心の声を表現してみたんです。
先輩:・・・・。
だから、俺をどんなキャラにしたいわけ?
小谷:・・・・・・・・魔王とか?
里宇:そしたら倒さなきゃね♪
小谷:すぐに家に帰れるな。
先輩:え??!
小谷:やだなぁ。冗談ですよ。
里宇:うん。うん。
兄さんはそんな人じゃない、って信じてますよ〜
先輩:・・・・・・。
小谷:うんうん。
さて、りっちゃんその魅惑スポットは、町のどの辺にあるのかな?
里宇:えっと〜、一応、古くからあるんだし、町の人に聞けば分かるかと。
蓮川:先輩?
なんか顔色悪くないですか?
先輩:え?そんなことないよ?
えと、あ、あの人に聞いてみようか♪
小谷:ええ、まぁそうですね。
蓮川:あの〜、すみません。
農夫:なんだよ?
俺は忙しいんだ。日暮れまでに街に帰るんだからよ!
蓮川:えと・・・あの・・・ごめんなさい。
農夫:くだらない用なら、行くぞ!
蓮川:あの、その・・・
小谷:すみません・・・・・・ 私たち、今日この町に呼び出されて、右も左も分からないんです・・・
先輩:だからつい話かけちまって・・・・
おっちゃんみたいに親切な人だったら、俺らの話まともに聞いてくれるんじゃねぇか、って思ってさ。
小谷:私たち、なんとしてでも、自分たちの国に帰りたいんです!
あそこには待ってる人が・・・!!
お願いです! 古代図書館への道を教えて下さい!!
農夫:右も左もわからねぇって・・・ あんたたち、この辺のやつらじゃないのか?
どこからきたんだ?
周辺の街出身なら、右も左もわからねぇことねぇだろう。
先輩:・・・信じてもらえるかわかんねぇんだけど・・・・
農夫:なんだよ。俺を疑ってるのか?
小谷:いえ。そんなこと。
でも、私たち自身も信じられないことなので・・・・
農夫:なんだって、言うんだよ?
先輩:おっちゃんなら信じてくれそうだな。
・・・・俺たち・・・・
小谷:違う世界から呼び出されたんです。
先輩:魔王を倒すためにな。
農夫:・・・・・・・・・。
小谷:信じてもらえないのも無理はありません!
でもホントなんです!! 魔王を倒さなきゃ元の世界に戻れないんです!
この世界の平和のためにも、私たちは、魔王を倒さなきゃいけないんです!
先輩:そのためには、古代図書館に眠ってる古書の力が必要なんだけど、なさけない話、俺たち場所がわかんなくてさ。
忙しいところ悪いんだけど、おっちゃん、場所教えてくれないか?
農夫:・・・・・・・・・・・・。
小谷:お願いしますっ!
里宇:お願い!
農夫:・・・・・・・・・・お前たち、最近の若手旅芸人か?
小谷:・・・・は?
農夫:うん。うん。
いまはこの町は不景気だからなぁ。
そうやって路銀を稼いでるのか。
若いのに苦労してんだなぁ。
しっかし、今の話はオリジナルか?なかなかおもしろかったぞ。くわしく聞きたいぐらいだ。
小谷:・・・ありがとう、ございます?
農夫:そうそう、図書館の場所だったな。
蓮川:え?あ、はい。
農夫:ないよ。
蓮川:え?
農夫:先月・・・だったかな?もっと前かな? つぶれちまったよ。
まぁ。確かにあんなでかい図書館、維持費が大変だろうし、しょうがないよなぁ。
先輩:つぶれた、って・・・・。
小谷:・・・どこが経営してたんですか?
農夫:そりゃ、歴代城が直轄して管理してたのさ。でもま、それも今代までだった、ってわけよ。
ってわけで、今はもうその跡地しかないから、いったって無駄だよ。
里宇:そう、ですか。
農夫:あぁ。
しかし、ホントに楽しかったなぁ。
俺、そこの食堂でメシ食ってから街に戻るから、もし時間があったらさっきの話の続き教えてくれよな。
里宇:あ、うん。ありがとね・・・・。
小谷:・・・・・・・。
先輩:・・・・・・・・・つぶれた?
蓮川:・・・・って、言ってましたね。
小谷:城直轄なのに?
里宇:・・・・・だからじゃない?
蓮川:え?
里宇:城直轄、=アサコ経営だよ?
やっぱり城の経営うまく行ってなかったんだよ。
先輩:なるほど・・・。
蓮川:・・・で、どうするの?このあと?
里宇:・・・・どうしよう・・・・。
先輩:そういえばさぁ、大臣著作?の攻略本だか、旅のキロク本だかに、なんか役立つこと書いてないの?
里宇:そうか!
魔王城への行き方、とか、魔王の弱点、とか、弱点、とか、弱点、とか。
小谷:アサコさんの抹殺方法、とか。
蓮川:え?!
里宇:意外にあるかもね♪
蓮川:えぇっ!!
先輩:こいつら黒っ!!
小谷:やだなぁ。冗談ですよ。
で、ほんとになんか載ってないの?
里宇:そこまで読みこんでないからなぁ・・・
あ、でも魔王および魔王城について、ってページがある。
蓮川:ほんと!?
小谷:アサコさんについて、はないね〜
里宇:うん。残念。
先輩:まだ言うか・・・で、魔王については?
行き方とか書いてあった?
里宇:えっと〜・・・
『魔王は強い。 魔王城へはバリアをはずしてから行け』
・・・・・・・・以上。
小谷:え?
里宇:以上。
先輩:・・・・もう一回読んでくれる?
里宇:『魔王は強い。魔王城へはバリアをはずしてから行け
小谷:・・・・・そんなん知ってるわぁっっっっっ

[完]