1章:バナナはおやつに入りますか?



里宇:草、草、水、草、捧、なべのふた、布、布、
    水・・・・・
小谷:里っちゃんなんの呪文唱えてるの?
    どっかの城つぶすための呪いの呪文?
里宇:やだなぁ、コタ♪ 城つぶすんだったら、もっと確
    実な方法とるに決まってるじゃん♪
    これは、大臣がくれたものリスト。
先輩:は?!まともなもの、全然なかったぞ?! むしろゴ
    ミ?
里宇:・・・・・、薬草、薬草、聖水、薬草、ひのきの捧、
    おなべのふた、布の服、布の服、聖水・・・・・
    あ、あと下の方に銅の剣も入ってた! あまりに
    も普通だから、数えそこねちゃったよ♪
    それと、いろいろ入れれる、魔法のかかったこ
    の袋と、馬車。
蓮川:馬車?
里宇:うん。移動用に。町の外にいるみたいよ。
蓮川:へぇ。すごいねぇ。馬車なんかくれるなんて!
小谷:なべのフタしか、くれないのに?
先輩:フタだけの使い道って、なにかなぁ・・・・・。
里宇:盾にする。
小谷:は?
里宇:いやマジで。盾のかわりにかかげて、敵の攻撃
    を防ぐんですよ。
先輩:そんなんで魔王倒せるんだぁ♪
里宇:もちろん☆・・・・・倒せるかよ♪
   ・・・・・最初はこれでしのいで、徐々にいい武具買
    うんですよ。
蓮川:最初からいい武具買っちゃダメなの?
小谷:あぁ、そうだよね。何度も買い替える手間はぶ
    けるしね。
先輩:簡単に敵も倒せるしなぁ。
小谷:おにいさんも、防具より武器に金かける人でし
    ょ。
先輩:おぅ☆
蓮川:えー! 防具買わなきゃ、やられちゃうじゃ
    ん!!
小谷:ふっ。だから薬草が必要なのさ♪
先輩:薬草といえば、それももっと買わなきゃな。
小谷:あとはなにがいりますかね?
先輩:ん〜・・・・・おやつ?
小谷:あぁ!旅行には必須☆ですよね♪
    じゃがり●と〜、リ●ツと〜。
蓮川:はいはーい!バナナはおやつにはいりますか
    ぁ?!
先輩:あー、俺的にそれは主食?
蓮川:え?! おやつじゃないんですか?
先輩:いやいや、あれは主食だって。
    なあ、小谷?
小谷:え? あれはアイスですよ。
先輩・蓮川:はぁ?!
小谷:え、だってうちでは、凍らせて食べてますよ?
先輩:なにぃ?! うちの主食をおやつ扱いするとは
    何事だ!!
    俺なんて一人暮らしのとき、朝食メニューはた
    いていバナナだったぞ!!
小谷:おにいさんの自堕落生活習慣なんて、これっぽ
    ちも興味がありません。
先輩:そんな、ひどい!!
    里宇! 里宇は俺の味方だよな!
里宇:あー・・・・・、えっと・・・・・、とっても素敵な議題で
    盛り上がっているところ、水を差すようで申し訳
    ないのですが・・・・・、
先輩:ん?
里宇:お金、ありませんが?(微笑)
小谷:・・・・・はい?
里宇:だぁから、そんなに、つーか、ぶっちゃけ人数分
    の武器揃えられるほどのお金もないよ?
蓮川:え? だって大臣さんにお金貰ったんじゃない
    の?
里宇:100Gばかりね。
先輩:それって、高いの? 安いの?
里宇:うーん・・・・・、初期の中ではそれなり?に使える
    剣が、1本は買える。
    僕らの世界額に直すと、3000円くらいかな?
先輩:・・・・・今日びの小学生でも、もっと小遣いもらっ
    てるんじゃないか?
小谷:って言うか、それっぽちの金で命かけて魔王倒
    しになんかいけるかぁ!!
里宇:僕らの命って、とっても安いんだね♪ 小学生で
    も買えちゃいます☆
小谷:里っちゃん・・・・・、実は怒ってるでしょ? さっき
    から黒いよ。
里宇:そんなぁ♪ 目が覚めたと思ったら、いきなり魔
    王倒しに行けとか言われたんだよ?
    機嫌も悪くなっちゃいますよ〜。
小谷:・・・・・、・・・・・。
えっと、で、まぁお金はないと?
里宇:うん!
先輩:でも、しょうがないよね〜。
蓮川:なんでですか?
先輩:だって、王様、アサコだよ? 城、経営厳しいん
    だよ。きっと。
里宇・小谷:おお、なるほど!
小谷:なんか、すごーく、納得しました。納得はしまし
    たが、お金ないのは困りますね。
蓮川:そうだよね。お金に余裕ないと、バナナ買えな
    いもんね。
里宇:いやいやいや、もういい加減、バナナから離れ
    ようよ・・・・・。
    (なんで、ここまでバナナにこだわってるんだろ
    う・・・・・?)
先輩:うん。残念だけど、やっぱり、地道にコツコ
    ツ、・・・・・ヤな言葉だなぁ。
小谷:ヤな言葉ですよね〜。
里宇:(っていうか、『バナナ買えないのは残念』発言
    に突っ込みなしなの?! コタ!!)
蓮川:いやだヤだって言ってても、仕方がありません
    よ。頑張って皆で敵を倒していきましょう!!
里宇:はい!前向き発言が出たところで、皆さんに質
    問があります!
   誰か馬車、運転できますか〜?
先輩:・・・・・ん〜、それはどういう意味かな? 里宇。
里宇:えっとね? 馬車、貰ったはいいけど、動かして
    くれる従者さんは「お金も人手もないから」
    って貸してくれなかったの♪
小谷:人手がないのは、単にアサコさんの人望がない
    んじゃないの?
里宇:そうかも。
先輩:つまるところ、馬車は自分たちで運転しなきゃ
    いけないってこと?
里宇:ぴんぽんぴんぽん大正解! それでは正解した
    兄さんには、一人で魔王を倒しに行く権利をさ
    しあげましょう!
先輩:いらん。
里宇:がーん。
小谷:・・・・・、もうアタマきた! 魔王より先にこの城つ
    ぶしてやる〜!!
蓮川:お、落ち着いて、小谷っち! おにいさんもなん
    か言ってくださいよ!
先輩:小谷小谷、それは確実に元の世界に帰れる方
    法が分かってからにしようね?
蓮川:あとならいいんですか・・・・・?!
里宇:いいんじゃない?
先輩:まぁ、それはともかく、馬車を動かせるやつがこ
    の中にいない以上、馬車って、役立たずなお 荷
    物品ってことだよな?
里宇:そうです!そこで里っちゃん的前向き提案で
    す!
    これを行えば、全ての問題は一気に解決☆ 一
    挙両得、一攫千金!
蓮川:?
里宇:馬車、売りましょう♪

                           [完]